[あらすじ]
漫画家・ささやななえこ(どうでもいいけど昔は「ささやななえ」でした)が自身や友人の体験談をベースに“本物の心霊恐怖”の世界を描いた10万部突破のベストセラーコミック「いきすだま 生霊」の映画化。
根暗でおとなしく、クラスでは浮いた存在の浅茅優子(三輪ひとみ)は、同級生の吉野良二(松尾光次)に密かに思いを寄せていたが、良二には公認の彼女・真理子がいた。しかし、良二が優子の生霊をあちこちで見るようになった頃、真理子は突然事故死してしまう… 。
[アユムから]
昔、となりのお部屋にいたおねえちゃんから貸してもらって原作の漫画を読んだことがあったのですが、えらく地味で昔ふうみな絵柄、しかも題材もそれほどどぎつい恐怖を煽るものではないのですが、なんだか不思議に印象深い「怖い漫画」でした。
登下校中の電柱の陰とか、彼女とまぐわい中の体育館倉庫(!!!)の扉の隙間とか、何気ない場面に主人公の視界をよぎる浅茅さんのチラリズム。
この浅茅さん、はっきり言って救いようがありません。
ほんとーに暗いんです。大昔のふつうの少女漫画だと、弱気な少女が美少女とつきあう同級生に思いを寄せるなんてベースは、もう開始2ページでハッピーエンド確定です。「眼鏡を外すと美少女だった」とか(浅茅さん眼鏡じゃないけど)「顔をかくす前髪をあげると美少女だった」(浅茅さん前髪ないけど)とかそういうギミックが入ったりして。雨に濡れた仔猫を助けるところを男の子に見せ付けて、いい人ポイント稼いだりして(惜しい。イベントが足りなかった)。
ところがこの浅茅さんは性格も暗い上になんだか思い込みが激しく、話す言葉もとぎれがち。容姿も、ガリガリに痩せている上長い髪は無造作にぼさぼさ、顔には頬骨なんかが書き込まれたりしてもう全身「私、ブサイクキャラです」と主張しています。
しまいには下着姿(しかも「スリップ」ですよ「スリップ」。どーですかお客さん!)で寝ている主人公の上に覆い被さる浅茅さん(生霊)が、同情の余地なくものすっごく怖かったのを覚えています。
さてこの浅茅さんが、映画だとちっっっとも怖くないんです。
ガッカリ。
なんでかっていうと、三輪ひとみが美しすぎるからなんですね。
三輪ひとみが下着姿(しかもしつこいようですが「スリップ」ですから「スリップ」。どーですかお客さん!!)で跨ってきたら、まっとうな若者なら涙を流して運命に感謝すべき場面ですよ!
なんか気色悪い感じにイロイロ設定がいじられているのですが、弟思いのお兄ちゃんという主人公からして、要は「DOGGY BAG」(韓国では「Y2K」として人気がある、らしい)の松尾兄弟売り出し映画だったようです。主題歌も彼らが提供。
太古のジャニーズアイドルグループ・光GENJI出身の大沢樹生が出てたりスケバン刑事出身の中村由真もひそかに出てたり、これは微妙なキャストを生暖かく楽しむ作品かもしれません。
もちろん三輪姉妹のマニア受けは言うまでもなく!
…………あ。
結局生霊の除け方よくわかんなかった。本人死なして死霊にして除霊!かナ☆
アユム的オススメ度 : ★★☆☆☆ (小奇麗にまとめすぎ)